任意整理とおまとめローンの違いとは?借金を解決するのはどちら?

借金に悩み、返済が苦しくなったときに、おまとめローンを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。今よりも低い金利で借り換えることができれば、返済の負担を軽くできますし、複数の借金を1ヵ所にまとめることで返済管理も楽になります。

ですが、「おまとめローン=返済が楽になる」と安易に利用してしまうと、かえって借金問題を深刻化させてしまうリスクがあります。当事務所にご相談いただくお客様にも、「おまとめローンで借金を一本化したのに、その後返済に行き詰まってしまった」という方も少なくありません。

おまとめローンで返済が楽になったはずなのに、なぜ行き詰ってしまったのでしょうか。この記事では、その原因と対処方法、また任意整理とおまとめローンの違いについて解説していきます。

おまとめローンの基本と利用メリット・デメリットを徹底解説

借金の返済が多重化している場合、ひとつにまとめる方法として「おまとめローン」を考える人も多いでしょう。おまとめローンは複数の借入を一つにまとめ、返済の負担を軽減する手段です。しかし、任意整理と違って、借金を減らすのではなく「整理」するだけの方法であるため、利用前にしっかりとそのメリット・デメリットを理解しておくことが重要です。

おまとめローンとは?基本的な仕組みを理解しよう

おまとめローンは、現在の借金を一度に返済するために新しいローンを利用するものです。たとえば、複数の消費者金融や銀行から借り入れをしている場合、それらを一括してまとめ、新たなローンとして返済します。新たなローンには、利息の引き下げや、返済日を一度にまとめられるといったメリットがあります。複数の借入先からの支払いを一本化することで、毎月の支払い額が見やすくなり、返済計画を立てやすくするというメリットがあります。

おまとめローンと任意整理の違い

おまとめローンを利用する場合、借り入れ先の金融機関からまとめて借り入れを行い、既存の借金をすべて返済します。その結果、借金が一つのローンとして統一され、月々の返済額や金利が安くなる可能性があります。返済期日や額が一つにまとまることで、管理がしやすくなります。

1.おまとめローンとは?

おまとめローンは、複数の借金をひとつのローンにまとめる方法です。これにより、月々の返済額や利息を軽減することができます。特に、高い利息の借り入れを一本化することで、総返済額を減らすことが可能です。しかし、おまとめローンを利用するには、審査を通過する必要があり、信用情報に問題があると、審査に通らない場合があります。

2.任意整理とは?

任意整理は、弁護士や司法書士が貸金業者と交渉し、借金の利息を減らしたり、返済額を軽減する手続きです。裁判所を通さず、借金の減額を目指す方法で、利息や遅延損害金をカットして、毎月の返済額を抑えることが可能です。ただし、信用情報に記録が残り、一定期間は新たな借り入れができなくなります。

3.おまとめローンと任意整理の違い

・手続きの手軽さ
任意整理は、弁護士や司法書士に依頼し、交渉を通じて借金の減額や条件変更を行います。おまとめローンは、金融機関から融資を受け、借金をまとめる方法です。任意整理は法的な手続きですが、おまとめローンは新たな借り入れです。

・信用情報への影響
任意整理を行うと、信用情報に「債務整理」と記録が残り、5~7年間は新たな借り入れができません。おまとめローンを利用する場合、信用情報に記録は残りませんが、審査が厳しく、ブラックリストに載っている場合は審査に通らない可能性が高いです。

・借金の軽減方法
任意整理は、借金そのものの返済方法を再編成する方法で、利息や遅延損害金をカットすることができます。一方、おまとめローンは、借金の一本化により管理を楽にする方法であり、利息を下げることが目的です。どちらも月々の返済額を抑える効果がありますが、根本的な借金を解決したい場合は任意整理が有効です。

おまとめローンは、あくまで複数の借金をまとめて一つにすることで、返済管理を簡単にする方法です。しかし、元本や金利が変わるわけではなく、新たなローンを組むという形です。

任意整理は、借金の一部を減額したり、金利をカットしたりする法的手続きです。金融機関との交渉により、借金を軽減したり、支払い期間を延ばしたりすることができます。任意整理を行うと、信用情報に影響を与える可能性があり、信用スコアが下がることもあります。
おまとめローンは、複数の借金を一本化する方法であり、返済の管理が楽になりますが、元本や金利が減るわけではありません。一方、任意整理は借金そのものの軽減を目指す手続きであり、返済の負担を減らすことができます。それぞれの方法にはメリットとデメリットがありますので、自分の状況に合った方法を選ぶことが重要です。

おまとめローンのメリット:借金管理の簡素化と返済負担の軽減

おまとめローンは、複数の借金を一つのローンにまとめることで、借金管理を簡素化し、返済負担を軽減する方法です。複数の金融機関やクレジットカードを利用して借りている場合、それぞれの返済日や利息が異なるため、管理が煩雑になります。おまとめローンを利用することで、月々の返済を一本化し、管理の手間を大幅に減らすことができます。

1.借金管理の簡素化

おまとめローンを利用すれば、異なる金融機関への返済が一度の支払いで済むようになります。これにより、返済日を忘れることなく、計画的に返済を進めることができるようになります。管理が簡単になり、返済に集中できるため、精神的な負担も軽くなります。

2.返済負担の軽減

おまとめローンの大きなメリットは、金利が低くなることが多い点です。複数の借金を一本化することで、高い金利の借入れを低金利のローンに置き換えることができる場合があります。その結果、月々の返済額が減り、総返済額を抑えることが可能になります。返済期間を延長することができるケースもあり、返済額を少なく抑えることで、生活の負担を軽減できます。

おまとめローンは、借金を整理し、返済計画を立て直すための有効な手段です。ただし、金利や返済条件などに注意を払い、契約内容をしっかり確認したうえで利用することが重要です。

おまとめローンのデメリット:審査や金利の注意点

おまとめローンは、複数の借金を一つにまとめて返済の管理を楽にする便利な方法ですが、いくつかのデメリットも存在します。特に審査や金利に関しては、注意が必要です。

1. 審査が厳しくなる可能性がある

おまとめローンの審査は、信用情報や返済能力が重要な要素となります。過去に任意整理や遅延履歴がある場合、審査が通りにくくなることがあります。特に、複数の借金を抱えている状況では、審査基準が厳しくなることが多いため、必ずしも希望通りの金額や条件でローンを組めるわけではありません。また、返済の遅れや滞納が続いていると、審査に通らない可能性が高くなります。

2. 金利が高くなることがある

おまとめローンでは、金利が高めに設定されることがあります。特に、消費者金融系のローンを利用する場合、金利が高くなる可能性があるため、返済総額が増えるリスクもあります。金融機関によっては、金利が10%~18%程度となることが一般的で、元々の金利よりも高い金利が発生する場合もあります。

3. 返済期間が長期化するリスク

おまとめローンを利用して借金を一本化すると、返済期間を長期化させることができる場合がありますが、これがデメリットにもなり得ます。返済額が月々安くなり、負担が軽くなる一方で、返済期間が長引くことで、総返済額が増える可能性があるからです。この点をよく考慮したうえで、返済計画を立てることが重要です。

おまとめローンは借金の管理を簡素化し、月々の負担を軽くする方法ですが、審査や金利の条件に関して慎重に考えることが大切です。利用前には、自分の返済状況に合った最適な方法かどうかを十分に検討しましょう。また、審査や金利の不安がある場合は、司法書士に相談して、他の選択肢(任意整理や債務整理)を検討するのも一つの方法です。

おまとめローンを利用しても返済できない。その理由とは?

おまとめローンを利用すると、複数の借金を一本化して月々の返済額を軽減できることが多いですが、それでも返済ができない場合があります。その理由として、以下の点が考えられます。

1. 返済額の見積もりが甘かった

おまとめローンを利用する際に、月々の返済額が低く設定され過ぎている場合、返済期間が長期化し、結果的に総返済額が増えてしまうことがあります。低い月々の支払いに引かれてしまい、将来の負担を考慮しなかったというケースもあります。

2. 借金の総額が大きすぎる

おまとめローンは複数の借金をまとめることで月々の支払いを楽にすることができますが、借金総額が高額すぎると、おまとめローンだけでは返済が追いつかないことがあります。特に、借金額が高い場合には、どれだけ月々の返済額を抑えても、返済期間が長期に渡るため、完済までの道のりが厳しくなる可能性があります。

3. 生活費が足りず、返済が後回しになっている

おまとめローンを利用しても、収入が安定していなかったり、生活費が圧迫されている場合、返済が後回しになってしまうことがあります。生活費と返済額のバランスを取るのが難しく、返済の優先順位が低くなることが原因です。

4. 新たな借入れや支出が増えた

おまとめローンを利用した後に、新たに借金を重ねてしまうケースもあります。これにより、再度支払いが難しくなり、借金が増えて返済ができなくなってしまうのです。生活の中での支出を見直さずに、新たな借入れをしてしまうと、結局、再び借金に苦しむことになります。

おまとめローンで借金を一本化したとしても、返済できない理由は複数存在します。返済計画を立て直すためには、無理のない月々の支払い額の設定、収入と支出の見直し、新たな借金の防止が必要です。

おまとめローンで借金をまとめたが、返済できなかった、その具体例とは?

おまとめローンを利用して借金を一本化したのに、返済に行き詰まってしまう。なぜこのようなことが起こるのか、具体的な金額を例にご説明していきましょう。

例えば、消費者金融4社から合計300万円の借金をしていたとします。この借金をおまとめローンで一本化した場合、返済額をどの程度まで減らせるでしょうか。

おまとめローンを利用することで借入利率を12%に下げることができた場合、月々の返済額を82,000円から67,000円まで減らすことが可能です。

また、おまとめローンを利用せずに返済を続けた場合、利息だけで約119万円を支払う計算になります。おまとめローンによって利率を下げることができれば、この利息を約100万円に減らすことが可能です。つまり、最終的に払う利息を19万円程度、減らせるということです。

このように、おまとめローンを利用することで返済の負担を軽減することができますが、問題はおまとめ後の返済額で返済を継続できるかどうかです。

おまとめローンを利用しても、月々67,000円の返済ができないのであれば、借金問題を解決することは難しいでしょう。おまとめローンの審査に申し込む前に、月々の返済額がどの程度まで下がるのか、下がった返済額で返済を継続できるかどうか、シミュレーションしておきましょう。

「多少でも返済額が減るのであれば…」と安易に利用してしまうと、余計に借金問題が深刻化してしまいます。おまとめローンを検討される場合は、返済を継続できるかどうかを考えてから手続きを進めましょう

おまとめローンを利用した後に、借金を増やしてしまった

おまとめローンで返済の負担を軽減したにも関わらず、返済が行き詰ってしまう原因がもうひとつあります。それは、おまとめ後に再び借入を繰り返してしまうことです。

よくあるのが、先程の例のように金融会社4社の借金を一旦、おまとめローンを利用して完済したとします。すると、完済した金融会社の借入枠が空いた状態になります。つまり、再び借入ができてしまうということです。

完済した金融会社側から見れば、「きちんと返済してくれる優良顧客」という扱いになるため、追加融資や利用枠の増額などの勧誘をしてくることがあります。さらに、急な出費や足りない生活費を補うために、つい借入をしてしまったり、返済が楽になったことで気が緩み、「もう少し借りても大丈夫だろう」と再び借入をしてしまう方もいらっしゃいます。

このような借入を繰り返すことで、多重債務の悪循環に逆戻りしてしまいます。そして、おまとめローンを利用する前よりも借金の総額が増えてしまうケースが多いです。

おまとめローンを利用しても、借金を繰り返してしまうのであれば根本的な解決にはなりません。むしろ、借金問題がより深刻な状態になってしまいます。

おまとめローンで借金問題を解決できない場合はどうすればいいの?

おまとめローンを利用しても、借金問題が解決しない場合は、別の方法での対応を検討する必要があります。おまとめローンは、複数の借金を一本化して返済を簡単にする手段ですが、根本的に借金の額が減らないため、返済が続かない場合もあります。そのような場合には、債務整理の手続きを考えることが重要です。借金問題の解決方法には、おまとめローンの他に債務整理という方法があります。

債務整理には、金融会社と直接交渉を行う「任意整理」と、裁判所に申立てを行う「個人再生」「自己破産」があります。借金の金額や収入のご状況によってどの方法を取るかが変わってきます。

それでは、ひとつずつ仕組みを解説していきましょう。

[月々の返済の負担を減らす任意整理]

任意整理とは、「将来利息の減免」「分割返済」について金融会社と直接交渉を行います。これにより、月々の返済の負担を軽くすることが可能です。

先程の例にでてきた、4社から合計300万円を借りて、毎月82,000円を返済していた場合に、任意整理をすると返済額がどうなるのか見てみましょう。(利率14%~18%)


仮に利息の免除と60回分割で交渉が成立した場合、月々の返済額が5万円に減額されます。さらに約119万円の利息の負担が免除されます。(※延滞の有無など、取引内容によって和解条件が変わるケースがあります。)

このように、概ね元金のみを36回~60回分割で返済することで借金の負担を軽減します。

[大幅に返済額を減らせる個人再生]

個人再生とは、裁判所に申立てを行い、借金を概ね100万円もしくは1/5まで圧縮し、原則3年で分割返済をしていく方法です。さらに、今後の利息も免除されます。

では、先程の例にでてきた借金が個人再生によって、どのようになるのか見ていきましょう。(4社から合計300万円を借りて、毎月82,000円を返済。年利14%~18%)

この場合、借金を1/5に圧縮した金額の60万円と100万円を比較して、高い方の金額である100万円を返済することになります。この100万円を3年で分割返済する場合、月々の返済額は約28,000円になります。

個人再生は、任意整理よりも借金の減額幅が大きいです。そのため、任意整理では借金問題の解決が難しい場合に検討します。ただし、個人再生は車や住宅など、価値の高い財産をお持ちの場合は返済額が上がる可能性があり、手続きがやや複雑になります。

[すべての返済義務が免除される自己破産]

自己破産とは、裁判所に申立てを行い、すべての返済義務を免除してもらう方法です。

テレビや映画などの影響で自己破産をすると、すべての財産を取り上げられて生活ができなくなる、と思っている方も多いのですが、これは間違いです。一定の財産を処分する必要はありますが、生活に必要な家具や家電などの財産を残すことが可能です。

[それぞれの手続きの違い]

ご紹介したように、任意整理、個人再生、自己破産で手続き後の返済額が大きく変わってきます。さらに、それぞれの手続きごとに特徴がありますので解説していきます。

・裁判所を通さない任意整理

裁判所を通さない任意整理の場合は、個人再生、自己破産に比べて柔軟な対応が可能です。

任意整理は認定司法書士や弁護士が代理人となって、金融会社と直接交渉を行うため、お客様にやって頂く作業が特にありません。さらに、手続きに必要な書類もそれほど多くないため、ご家族や職場の方に気づかれずに手続きを進められます

また、任意整理を行う債務と行わない債務を選ぶことができるため、カーローンや住宅ローンなど、影響を出したくない債務を手続きの対象から外すことが可能です。

・裁判所を通す個人再生、自己破産

裁判所を通す個人再生、自己破産は任意整理のような柔軟な対応が難しく、手続きがやや複雑です。

個人再生、自己破産の場合は、裁判所に提出する書類が多いです。家計簿や通帳のコピー、財産や保険、住宅関連の書類など多くの書類を集めていただく必要があります。さらに、同居のご家族に収入がある場合は、ご家族の給与明細も提出する必要があります。そのため、同居のご家族に内緒で手続きを進めることが難しいです

また、すべての債務が手続きの対象になるため、車や住宅などの財産を手放す可能性も出てきます。

このようにそれぞれの手続きに違いがあります。多くのお客様は「家族にはバレたくない」「財産を手放したくない」と考えておられることから、任意整理を希望される方が多いです。

しかし、任意整理を希望していても、手続き後の返済額で返済を続けられる見込みが無ければ任意整理を行うことはできません。任意整理では借金問題の解決が難しい場合は、より減額幅の大きい個人再生や自己破産を検討する必要があります。

そのため、借金問題の解決は少しでも借金の金額が少ないうちに解決を図ることが重要です。借金の金額が大きくなり過ぎると、手続きの選択肢が狭まってしまい、最悪の場合は「自己破産しか選べない」ということにもなりかねません。

債務整理とおまとめローン、選択基準とそのメリット・デメリットを解説

借金の返済が困難な状況に直面したとき、債務整理やおまとめローンはよく検討される解決策です。しかし、どちらを選ぶべきかは、それぞれの状況により大きく異なります。債務整理は法的手続きを通じて借金を減額・免除する方法であり、おまとめローンは複数の借り入れを一つにまとめて管理しやすくする方法です。それぞれにメリットとデメリットがあるため、どちらを選ぶかは慎重に判断する必要があります。

借金の軽減を目指すなら債務整理、金利を抑えたいならおまとめローン

借金を整理する方法として、債務整理とおまとめローンがあります。それぞれの方法には特徴があり、状況に応じてどちらを選ぶかが重要です。その選択基準の詳細を、わかりやすく説明します。

1. 債務整理の特徴

債務整理は、借金を法的に整理する手続きで、主に任意整理、個人再生、自己破産の3種類があります。債務整理の最大の特徴は、借金の減額や免除が可能であることです。たとえば、任意整理では、利息のカットや返済期間の延長を行い、返済負担を軽くすることができます。個人再生や自己破産では、さらに大きく借金を減額したり、最終的に借金を免除することも可能です。

債務整理が向いている人

・返済が困難になり、借金の減額や免除を希望する場合
・長期間にわたって返済が続いており、解決策を見つけたい場合
・借金の額が大きく、返済の目途が立たない場合

2. おまとめローンの特徴

おまとめローンは、複数の借入れをひとつにまとめるローンです。金利が下がる可能性があり、月々の返済額が減る場合もあります。おまとめローンの最大の利点は、複数の借入れを一つにまとめることで管理が楽になることです。また、借金の返済計画を立て直すための手段として利用できます。

おまとめローンが向いている人

・借金の返済額を減らしたいが、返済期間の延長ができない場合
・借金の管理が煩雑で、1本にまとめたい場合
・金利が高い借り入れが多い場合、金利の低いおまとめローンで借り換えをしたい場合

選択基準

1.借金の総額と返済の状況
 ・借金が大きく、返済が困難であれば、債務整理が適しています。
・返済額が減らせるだけでなく、管理が楽になるのはおまとめローンです。

2.目指す解決方法
・借金の減額や免除を希望するなら、債務整理が有効です。
・月々の支払い額を減らし、返済期間を変更したいなら、おまとめローンが有効です。

3.信用情報への影響
債務整理を行うと、信用情報に登録され、一定期間は新たに借り入れができなくなるため、将来的な借り入れに影響を与えます。
おまとめローンは、借金の一本化であり、信用情報への影響は債務整理に比べて少なく、ローンの返済が続く限り問題なく借り入れが可能です。

債務整理は、借金の減額や免除を希望する場合に適しており、解決方法として根本的な改善を目指す方法です。一方、おまとめローンは、借金の管理を楽にし、返済額を減らすことができる方法ですが、根本的な借金の減額は望めません。

それぞれのメリット・デメリットを比較

借金の整理方法として任意整理とおまとめローンがありますが、どちらを選ぶべきかは状況により異なります。ここでは、それぞれのメリットとデメリットを比較し、どちらが自分にとって最適な方法かを考えてみましょう。

任意整理のメリット

・利息や返済額を大幅に減額:任意整理では、借金の利息を減らしたり、返済額を軽減することが可能です。これにより、毎月の支払い負担が軽くなります。
・法的手続きで確実な解決:弁護士や司法書士が債権者と交渉するため、法的に確実な解決が期待でき、返済計画を立て直しやすくなります。
・借金の減免が可能:借金の一部が減額されることもありますので、返済がしやすくなる点が大きなメリットです。

任意整理のデメリット

・信用情報に傷がつく:任意整理を行うと、信用情報に「事故情報」として登録され、一定期間(5〜7年)新たな借入れができなくなります。
・手続きに時間がかかる:任意整理は複数回の交渉や書類作成が必要なため、時間がかかることがあります。
財産の差押えがないとはいえ、任意整理後に大きな出費があると返済が困難になる可能性もあります。

おまとめローンのメリット

・複数の借金を一本化:おまとめローンでは、複数の借入れを1本にまとめることができ、返済管理が簡単になります。毎月の支払い先が1つになることで、管理が楽になります。
・金利の低減:おまとめローンの金利が低ければ、月々の返済額を抑えることができ、トータルの支払い額も減少します。
・早期に借金の整理が可能:借入れの一本化により、借金返済が効率的に進む可能性があります。

おまとめローンのデメリット

・審査が厳しい:おまとめローンの審査は、信用情報に傷がある場合や収入が安定していない場合は通りにくいです。特にブラックリストに載っている場合、審査が通らないことが多いです。
・追加の借り入れができない場合がある:おまとめローンを利用すると、追加の借り入れができなくなる場合があります。これにより、急な出費に対応しにくくなることがあります。
・借金が減るわけではない:おまとめローンはあくまで借金をまとめるだけで、元金の減額はありません。返済額が軽減されるわけではないため、返済期間が長くなることがあります。

任意整理は、借金の減額や利息の軽減を目指す場合に有効ですが、信用情報に影響を与え、借り入れができなくなるというデメリットがあります。一方で、おまとめローンは、複数の借金を一本化して管理しやすくしますが、審査が厳しく、元金が減るわけではないため、慎重に選ぶ必要があります。

どちらを選ぶべきかは、あなたの現在の借金の状況や収入、今後の生活計画によって異なります。どちらが最適か迷った場合は、司法書士や弁護士に相談して、専門的なアドバイスを受けることをおすすめします。

どの方法が自分に合っているのか判断するためのポイント

借金の返済方法として、任意整理とおまとめローンはよく比較されますが、どちらが自分にとって最適な方法かを判断するには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。

どちらが自分に合っているかを判断するポイント

・借金の額や種類
複数の借金がある場合、おまとめローンは管理がしやすくなりますが、根本的な借金の減額を求めるなら、任意整理の方が効果的です。高い利息がかかっている借金が多い場合は、おまとめローンでの一本化が有効ですが、借金そのものの額を減らしたい場合は、任意整理が適しています。

・信用情報の状態
ブラックリストに載っている場合は、おまとめローンの審査に通らない可能性が高いため、任意整理を検討した方が良いかもしれません。信用情報に問題がない場合は、おまとめローンを利用することで、返済額を減らしつつ借金を管理できます。

・返済のスピード感
任意整理は、通常3~5年の返済計画で進むため、返済期間が長期になる場合があります。おまとめローンは、一括で返済する場合もあり、返済スピードを速めることができます。

自分に合った借金の整理方法を選ぶためには、現在の借金状況や信用情報、返済能力をしっかり把握することが重要です。任意整理は、借金の減額を目指す法的手続きで、おまとめローンは借金の一本化を通じて返済額を軽減する方法です。どちらの方法を選ぶべきか悩んでいる方は、弁護士や司法書士に相談することで、自分に合った最適な方法を見つけることができます。

まとめ

借金問題を解決する方法として、任意整理とおまとめローンがありますが、これらはそれぞれ異なるアプローチを取るため、状況に応じて最適な選択が重要です。

任意整理とは?

任意整理は、弁護士や司法書士を通じて、債権者と直接交渉し、借金の利息をカットしたり、返済期間を延ばすことを目指す手続きです。任意整理の特徴は以下の通りです。

・借金の減額や利息のカットが可能。
・月々の返済額を減らすことができる。
・裁判所を通さないため、手続きが比較的簡単で早い。
・借金の額や収入に合わせた返済計画を立てることができる。
・信用情報に影響が出る(ブラックリストに載る)。

任意整理は、借金自体を減らすことが目的で、借金を減らす効果がありますが、金融機関からの借入れはしばらくできなくなる可能性が高いです。

おまとめローンとは?

おまとめローンは、複数の借り入れを一つのローンにまとめて返済する方法です。これによって、借金の管理がしやすくなり、利息を抑えることができる場合があります。おまとめローンの特徴は以下の通りです。

・複数の借金を一つにまとめることで、返済計画が簡素化される。
・金利を下げることができる場合もある。
・借金の返済期限は延びる場合が多いが、借金の減額はない。
・信用情報に影響が出ない(場合による)。
・審査に通らないことがある(特に過去に遅延があった場合や債務整理歴がある場合)。

おまとめローンは、借金をまとめることが目的であり、借金の総額や月々の返済額を減らす効果は限定的です。

どちらを選べばよいか?

・借金の減額を希望する場合は、任意整理が適しています。利息の減額や、月々の返済額を軽減できるため、返済負担を大きく減らすことができます。
・借金の管理を簡素化したい、月々の支払い額を調整したいという場合は、おまとめローンが適している場合があります。ただし、おまとめローンは借金を減額するわけではないため、返済総額が減るわけではありません。

任意整理とおまとめローンは、それぞれ異なる方法で借金を解決します。借金を減らすことを重視するなら任意整理借金の管理をシンプルにしたいならおまとめローンが効果的です。どちらを選ぶべきかは、自分の借金の状況や目的に応じて判断することが大切です。

借金を一本化することが目的になっていませんか?

ご紹介したように、おまとめローン以外にも借金問題の解決方法はいくつかあります。

どの方法を検討するにしても、まず考えていただきたいのが「手続き後の返済額で返済を継続できるか」という点です。

おまとめローンで完済できる見込みがあるのであれば、おまとめローンも借金問題を解決する方法として有効です。しかし、おまとめローンを利用しても返済を継続できそうになかったり、再び借入をしてしまう可能性があるのであれば、お勧めできません。

おまとめ後にさらに借金を増やしてしまい、返済が破綻してしまったというご相談もよくお聞きします。おまとめローンは借金の金額自体は減らせませんし、利息も付いています。返済に行き詰まって、再び借入をしてしまうと、借金問題が振出しに戻ってしまいます。

借金を一本化できても、借金問題が解決できないのであれば意味がありません。

もし、おまとめローンを利用しても返済を継続できるか不安な場合は、一度、債務整理も検討してみてはいかがでしょうか。アヴァンス法務事務所では、全国から電話やメールでのご相談を、無料で受付しています。ご相談の段階でもある程度の見通しを立てることができますので、まずはアヴァンス法務事務所にお気軽にご相談ください。

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